第15回アルテミスステークス:プルヴィナル血統解説

父系の特徴とサイアーライン:圧倒的なパワーと機動力を伝えるロベルト系の血

父モーリスはマイルから中距離で国内外のG1・6勝を挙げた名馬であり、その父スクリーンヒーロー、グラスワンダーへと遡る重厚なロベルト系のサイアーラインに属します。 サンデーサイレンス系牝馬との交配が多く、日本特有のスピード競馬に対する高い適応力を示しているのが特徴です。

  • サイアーラインの特徴 ロベルト系特有の豊かなパワーとスタミナ、そして強靭な成長力が最大の特徴です。グラスワンダーから連なるこの父系は、タフな流れや荒れた馬場を苦にしない力強さを持ち合わせつつ、日本の高速馬場にも対応できる機動力を子孫にしっかりと伝達します。
  • 血統構成の解説 母父ディープインパクトとの組み合わせは、父系の重さをしなやかな瞬発力で補完する理想的な配合です。 サンデーサイレンス4×3のクロスによりスピードの絶対値が底上げされており、モーリス産駒の課題となりやすいトップスピードの不足を見事にカバーし、切れ味を引き出しています。
  • 産駒の傾向 父の長所を受け継ぎ、パワーを要する条件で高いパフォーマンスを発揮する傾向にあります。 ・距離適性:芝のマイルから中距離(1600m~2000m)が主戦場です。短距離のスピード勝負よりも、道中で息を入れて長く良い脚を使える条件に向きます。 ・馬場適性:芝適性が非常に高く、良馬場でのスピード勝負に対応する一方、生来のパワーがあるため重馬場や時計のかかるタフな馬場も全く苦にしません。 ・勝ち上がり率:JRAにおける出走頭数に対する産駒の勝ち上がり率は約49.1%(出走698頭中343頭勝ち上がり)と手堅く、高いアベレージを誇っています。
ロベルト系(Roberto Line)サイアーライン – モーリス
  • Roberto (1969 us) ※72年英ダービー馬
    • Kris S. (1977 us)
      • Prized (1986 us)
      • Brocco (1991 us)
      • *シンボリクリスエス (1999 us→jp)
        • サクセスブロッケン (2005 jp)
        • エピファネイア (2010 jp)
          • エフフォーリア (2018 jp)
          • ブローザホーン (2019 jp)
        • ルヴァンスレーヴ (2015 jp)
    • Silver Hawk (1979 us)
      • Hawkster (1986 us)
      • Mutakddim (1991 us)
      • *グラスワンダー (1995 us→jp)
        • スクリーンヒーロー (2004 jp)
          • ゴールドアクター (2011 jp)
          • モーリス (2011 jp)
            • ピクシーナイト (2018 jp)
            • ジャックドール (2018 jp)
            • Hitotsu (2018 au) ※豪州種牡馬入り
            • Mazu (2018 au) ※豪州種牡馬入り
        • アーネストリー (2005 jp)
    • *ブライアンズタイム (1985 us→jp)
      • ナリタブライアン (1991 jp)
      • マヤノトップガン (1992 jp)
      • サニーブライアン (1994 jp)
      • シルクジャスティス (1994 jp)
      • タイムパラドックス (1998 jp)
      • タニノギムレット (1999 jp)
      • フリオーソ (2004 jp) ※2024年種牡馬引退
    • Red Ransom (1987 us)
      • Intikhab (1994 us)
      • Electrocutionist (2001 us)
    • Lear Fan (1981 us)

牝系の背景:南米から広がるアルゼンチンの名門ファミリー

プルヴィナルの母系は、アルゼンチンの至宝とも言える名牝クルソラから連なる非常に活気のある牝系です。 日本の高速馬場に対応できる底力と、クラシック戦線で活躍する才能を代々受け継いでいます。

  1. 母クルミナル:ディープインパクト産駒。現役時代は桜花賞2着、オークス3着と牝馬クラシックで大活躍しました。 繁殖牝馬としても優秀で、アルテミスSなど重賞2着4回のククナや、スプリングS2着のアライバルなどを輩出しています。
  2. 2代母クルソラ(Cursora):Candy Stripes産駒。 アルゼンチンでエンリケアセバル大賞典などG1を2勝し、3歳牝馬チャンピオンに輝いた名牝です。 日本へ輸入後、クルミナルやセレシオン(新潟記念2着)、ピオネロなど多数の活躍馬を出しました。
  3. 3代母Calorica:Ahmad産駒。 アルゼンチンの重賞戦線で活躍し、アブリル賞(G2)を制覇しました。 GIでも3着に入るなど、豊かなスピードと確かな競走能力を示し、繁殖としても優秀な実績を残しています。
  4. 4代母Canchera:Pepenador産駒。 南米アルゼンチンで育まれた血脈で、重賞ウィナーのCaloricaのほかにも、アブリル賞2着のCaloria Royなどを送り出した優秀な繁殖牝馬です。
  5. 5代母Cargada:Casaridra Real産駒。 アルゼンチン競馬において確固たる地位を築いた牝系であり、この牝系から南米のビッグレースで活躍する馬が多数登場し、現在へと連なる名門の基礎を築き上げました。

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